1. 妻との離婚を決意、そしてマンションの売却へ

離婚からマンションを売ることになる道のりを赤裸々に告白!

「離婚して下さい」…「わかった」それだけの会話で15年間続いた結婚生活が終わることになりました。私の結婚生活は楽しくもあり、辛いこともありましたが、ここ数年間は仕事の都合で出張も多く、特に妻は単身赴任のような生活を送っていました。

よく芸能人が離婚の原因に「すれ違い」を理由にしますが、私たちのケースでもまさしくそれが当てはまるように感じたのです。私たち夫婦には子供もいないことが、離婚の決意を後押ししたように思えます。とにかく離婚する意思はお互いに確認できました。後はなるべく後味が悪くならないように、綺麗な状態で離婚できればと考えています。特に財産分与については、離婚後も妻が生活に困らないように公平に行うつもりです。

私達夫婦の財産は「預金」「株式」と「マンション」を保有しています。今回の離婚ではお互いに慰謝料などを請求しないことは合意しています。ただし財産については平等に分配することとして、預金はお互いの名義の合計の半分、株式も一定数を売却して分配することに決まりました。

しかし問題があります。それがマンションです。今住んでいるマンションは妻と結婚した時に購入した物件で、2LDKの間取りで当時の価格で3000万円でした。頭金として私の貯蓄から800万円、妻の貯蓄から300万円、そして妻の親からの援助が500万円の合計1600万円を用意して、残りの1400万円を住宅ローンに頼ることになったのです。

このような事情からマンションの名義は私と妻の共同名義です。住宅ローンも数年前に完済しており借金もありません。実は離婚するにあたって「このマンションをどうするか?」で妻と話し合いが難航したのです。考えられる方策としては「私が妻から買い取る」「妻が私から買い取る」「売却して売却代金を分配する」の方法が考えられました。しかし、一人暮らしで2LDKは広すぎるのと、半分になった貯金を相手に取られてしまうのは、ちょっと気が向きません。また妻は離婚後、実家に戻り親の介護をする予定なので、初めからマンションはいらないと言っています。そこで仕方がなくマンションを売却することに決めたのです。

築15年のマンションなので高額では売却できないと思いましたが、新しいスタートを切るためにも、やはり安くても手放した方がよいと思います。またそれがお互いの再出発を成功させることに繋がると信じたのです。妻とはマンションは売却、そして売却で得た代金は折半することで最終的に合意できました。

しかしマンションの売却など私には初めての経験です。もちろん妻にも経験などあるはずがありません。売るなら少しでも高く売りたい私ですから、少しでも勉強して「上手にマンションを売って見せる」と決心したのです。そこでまず考えたのが自分のマンションの価値を知ることから始めることでした。

2. 友人のアドバイスを元にマンション相場価格を調査

友人のアドバイスを元にマンション相場価格を調査

今日は会社が休みなので、マンションの売却について色々と調べものを行ってみました。私が住んでいるエリアは埼玉県の住宅地で、周りには沢山のマンションが建っています。東京の中心部まで地下鉄を利用して40分で行けることから、ファミリー層には人気エリア。私がここのマンションを購入したのも会社へ乗り換えなしで行けることと、比較的マンションが安かったのが理由です。

私にとってこのマンションを購入したのが不動産取引の最初で、売却など行ったことはありませんでした。そこでマンションを売却する上で、売買を仲介してくれる不動産会社を探さなくてはいけません。そこで1年前にマンションを売却して、一戸建てに買い替えた友人に話を聞いてみることにしたのです。

友人には離婚のことは話さずに、単に「買換えしたいので手順をどうすればよいか?」を聞くことにしました。友人もマンションの売却には色々と苦労があったようで、経験からいくつかのアドバイスをくれたのです。

  • 自分の不動産の価値を自分で調べること
  • 仲介不動産は複数から話を聞いて選ぶこと
  • 話の良すぎる不動産会社には注意すること
  • 大手だけでなく中小不動産にもあたること
  • 不動産媒介契約はよく考えて行うこと
  • 値引きすることを前提にすること

友人は自身の経験からこのようなアドバイスをくれました。特に仲介不動産会社を選ぶ場合には、1社ではなく数社から話を聞いて決めることが大切で、契約の種類にも注意するように念押しされました。また「不動産会社の規模よりも担当者の人柄も大切」と教えて貰ったのです。たしかに不動産の売買は人と人の取引ですから、人柄は重要な要素ですね。ここはしっかり見極めなくてはいけません。

自宅に帰った私は友人のアドバイスに従って、まずは自分のマンションの現在価値を調べることにします。調べる方法には色々とありますが、まず固定資産税の評価額をチェックすることにしました。固定資産税の評価は実勢価格よりも安くなっていることは知っていたので、そのままを参考にはできませんが、公示価格の70%が固定資産税の評価額になるので、「評価額÷0.7」でおおよその相場が見えてきます。

次にインターネット上にある不動産情報で似た条件の物件を検索し、販売価格をチェックすることも行います。「築年数」「間取り」「広さ(平米)」「住所」「階数」など似た物件を探して、販売価格を調べるのです。特に「駅からの距離」は不動産価格に大きな影響を与えるので注意が必要です。幸い住宅エリアのマンションなので、いくつか似た条件の物件が売りに出されていました。この2種類の調査を行って導き出した私なりの評価額は1500万円です。少し安すぎると思いましたが、最低価格としては仕方がない価格だと思います。

「よし!1500万円で売るぞ!」…1500万円をターゲットに次は実際に仲介してもらう不動産会社を見つけることにしましょう。

3. 仲介業者選びはネットの一括査定を利用してみた

仲介業者選びはネットの一括査定を利用してみた

前回の調査でマンション売却価格を1500万円に決めたので、次は実際に売買を仲介して貰う不動産会社を探さなくてはいけません。会社から帰った私は自宅のパソコンを使って「マンション 売却」で検索してみました。

検索すると「不動産会社のHP」や「売却のコツ」を紹介するサイトが溢れるほど出てきます。何気なくその中のページを読んでいると、不動産会社を探すには直接不動産会社に連絡する以外に、まとめて依頼する「一括査定」があることを知りました。ネット上には「不動産一括査定サイト」がいくつかあり、そこに物件情報を入力するだけで複数の不動産会社の査定を得られる仕組みで、自動車売却の一括査定と同じ仕組みになっています。

私は不動産会社に知り合いもいないので、この一括査定をまず利用することに決めて、ネット上で評判のよいNTTデータが運営しているHOME4Uに依頼することに決めました。早速、物件情報と個人情報を入力し、連絡手段としてはメールを選択しました。

HOME4Uでは沢山ある不動産会社から6社を選んで査定を依頼することができます。どこに依頼するか選ぶのに迷いましたが、最終的に大手不動産4社、地元不動産2社に決めたのです。返事が来るまで数日かかると思っていましたが、驚いたことに翌日には大部分の会社から返事が届いていました。

メール中身は概算の査定価格であくまでも参考にしかなりませんが、例えばA不動産1200万円、B不動産1450万円、C不動産1300万円と大きな開きが見られます。あくまで現物を見ないと判断できないのは理解できますが、こんなにも差が出るとは思ってもみませんでした。

全ての不動産会社と話をしたかったのですがそれも大変なので、中から4社を選んで電話することに。4社を選んだ理由は概算査定が似ており、私の考えている評価額に近いことが理由です。そして担当者と話している中で、特に印象の良かった3社に正式な査定をお願いすることにしたのです。

次の休日は大忙しです。午前中に1社、午後から2社の査定を受けなくてはいけません。離婚予定の妻はもう実家に帰っているので、家には私一人。掃除などして少しでも綺麗に室内が見えるようにします。

査定は会社によって違いが見られました。しっかり隅々まで確認する会社もあれば、ざっと見るだけで終了する会社もありました。気になる査定は1300万円~1450万円で、残念ながら私の希望の1500万円には届きませんでした。査定と言っても彼らが買ってくれる値段ではなく、売りに出す値段なので、この価格で売れる保証はありません。特に時間をかけられれば1500万円も可能ですが、早く売却したい場合には相場より若干安くせざるを得ないみたいです。

また困ったのは各社とも、その場で不動産媒介契約を迫ってきたことです。私的には全ての査定を終えてから、時間をかけて仲介会社を選ぶつもりでしたが、どの会社もその場で契約を迫ってきたのです。また契約の種類も「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」があるそうですが、どこも専属専任媒介契約を勧めてきました。私は即答を避けて、「2日~3日考えてから答えを出す」と伝えたのですが、実はこれも友人のアドバイスに従ったのです。

4. 媒介契約そしてついに内覧希望者がキター

媒介契約そしてついに内覧希望者がキター

不動産会社に売買の仲介を依頼するには「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。査定をお願いした3社は全て、この中の専属専任媒介契約を求めてきました。

実は友人から貰ったアドバイスに中に、「媒介契約の種類をよく考えて選択せよ」との内容がありました。簡単に説明すると一般媒介契約は基本的に条件がなく、他の不動会社や自分で買主を見つけてもよい自由がきく契約です。専任媒介契約は他の不動産会社への依頼はできませんが、自分で買主を見つけることができます。そして各社が勧めてくる専属専任媒介契約は他の不動産会社も自分で買主を見つけることもできません。つまり専属専任媒介契約では、物件を丸投げで預けて売買してもらう契約で、全く自由が利かなくなる恐れがあります。

ただし、専属専任媒介契約が悪い契約なのかと言うとそうでもなく、売主に自由が利かない代わりに仲介業者は優先して販売すると言われています。もし、私が専属専任媒介契約を結ぶとしたら、査定をして貰った3社から1社を選ばなくてはいけません。しかし、私はこの契約についてはある結論を既に持っていました。

実は友人にアドバイスを貰った時に「契約は一般媒介契約を選べ」と言われていたのです。彼の話では過去に専属専任媒介契約を結んだ人が、なかなかマンションが売れずにずるずると値引きをさせられた話があり、最初の契約で専属専任媒介契約を結ぶのはリスクが高いと言うのです。

また初めは一般媒介契約を複数の不動産会社と結び、一定期間売却できなかったら対応の良い会社と専属専任媒介契約を結ぶこともできると考えました。そこで改めて3社に連絡を行い、一般媒介契約をお願いすることにしたのです。

そして1週間後には3社との契約も終わり、後はマンションの買主が現れるのを待つばかり。毎日そわそわして不動産会社から電話が鳴るのを待つ生活です。インターネットの不動産情報には確かに私のマンションも掲載されています。ただ3社の中で1社はインターネットの不動産情報には登録していない様子。「やっぱり一般媒介契約では扱いが悪いのかなぁ?」と思ってしまいました。それでも残りの2社はしっかりと対応してくれているみたいです。もし、専属専任媒介契約を結ぶのなら、この2社から選ぶことを心に決めました。

妻からは「どう、売れそう?」とメールが入り「安くてもいいから」なんて、気楽な督促をしてきます。せっかく売るのですから、少しでも良い条件で売却したいので、ここは安易な値引きは考えずに、暫くはこのままで様子を見るのがいいでしょう。そして待つこと1ヶ月ついに待望の連絡が私の携帯に入ったのです。

「物件をぜひ見たいと言うお客様がいます。来週の日曜日に内覧させていただいてよろしいでしょうか?」

3社の中の1社から待ちに待った電話です。もちろん内覧を了承して時間を約束、13時から不動産屋の担当者が購入希望者を案内してくれるそうです。「よし、掃除だ!」私の中であるスイッチが入った瞬間でした。

5. 内覧から契約へそして手付金が入ったぞー

内覧から契約へそして手付金が入ったぞー

いよいよ待ちに待った内覧の日です。できるところの掃除は全て行い、私が見ても部屋は綺麗になっています。また水回りも特に力を入れたので、清潔に見えるはずです。しかし、もう15年も経過したマンションなので、設備が古く感じるのは仕方がありません。しかし、私達夫婦には子供がいなかったので、その分は同じ条件の物件よりも綺麗な状態だと思います。

今回、仲介する3社全てで販売価格を統一しており、1450万円に設定しています。私の希望の1500万円には届きませんでしたが、少しでも早く売却できることを優先したのです。

「ピンポン~ピンポン~」おーっと、チャイムが鳴りました。きっと仲介業者が買主を連れてきたのでしょう。さっそく、新しく用意したスリッパを出してお出迎えです。今回購入希望なのは新婚の夫婦で、近くの賃貸アパートに住んでいるようです。一通り部屋を見せてお茶を出しながら話をします。

買主は部屋が思ったよりも綺麗なこと、水回りに問題がないことを確認して満足した様子でした。聞いてみると内覧したのは3件目で、他の物件では何かと問題があったそうです。やはり子供がいないことで部屋が汚れていない点が気に入った様子で、「前向きに検討します」と帰って行きました。

それからの1週間は気が気でありませんでした。いつ返事が来るのか?心配だったのです。仲介業者の担当者からは「うーん確率は7割ですかね」と言われており、後は待つしかありません。そして待つこと10日、ついに担当者から電話が掛かってきました。「買主さんは1400万円なら購入するそうです」…担当者が言うには、トイレと壁紙を交換したいので、その分を安くしてほしいと買主から条件が出ているそうで、その条件を飲めば直ぐにでも契約できるようです。

「きたか~」実はこれも友人からのアドバイスにあった事項で、「値引きは覚悟せよ」との内容でした。中古の売買はあくまで売主と買主の駆け引きです。特に早く売りたい私の場合、売主に分が悪く買主が強くなるのは仕方がありません。50万円の値引きは痛いのですが、1400万円で売れれば目標からマイナス100万円なので、許容範囲でしょう。

私はその場で担当者に1400万円を了承すると共に、それ以上の値引きはできない旨を伝えて売却することを決めたのです。離婚を決めて約2ヶ月、ついにマンションを手放す相手が見つかった瞬間でした。

仲介業者の担当者からは、売却先が決まった以上、少しでも早く契約するように言われています。契約を行い手付金が入ると私も一安心です。そこで3日後、会社を休んで仲介する不動産会社に出向き契約書のチェックを行います。担当者は既に契約書を作成しており、あとは重要事項確認書の確認です。物件自体に大きな問題もなく、管理費などの滞納もありません。特に問題となる事項はないので、ここはお任せでスルー。ただし、後々問題が起きた時に、色々と補償を求められるは嫌なので瑕疵担保責任は免責として貰いました。契約書に署名押印して後は買主さんへ回します。担当者の話では1週間程度で契約書が出来上がるので、1部を持参してくれるそうです。

1週間後、担当者から電話が入り契約書が完成し、手付金が明日私の銀行口座に入金されるそうです。今回の契約書では手付金は10%なので140万円。いよいよマンション売却のクライマックスの始まりですね。

6. いよいよ残金を受け取ってマンションの引渡しへ

いよいよ残金を受け取ってマンションの引渡しへ

予定通り手付金として140万円が口座へ振り込まれておりこれで一安心ですが、気がかりは買主のローン審査。契約ではローン審査が下りないと、契約は白紙で手付金も返還しなくてはいけません。しかしその心配は必要ありませんでした。手付金の入金から1週間後には、ローン審査が無事に終わったことと、引渡しについて仲介業者から連絡が入ったのです。

実は離婚する妻は既に荷物を実家へ引き払っており、マンションに残っている荷物は私のものだけです。私も引っ越し先の新しい賃貸マンションを既に借りており、1週間後には完全に引っ越しする予定でした。仲介業者の担当者にこの旨を説明して、引渡しの日を1ヶ月後に調整して貰うことにしたのです。

それから1ヶ月後、ついに来ました…引渡しの日です。その日は会社を有休で休み、時間通りに指定された銀行へ向かいます。引渡しの手続きは借主が利用する銀行の部屋を借りて行うことが多いらしく、今回も銀行の窓口の横にある応接間で行うそうです。

約束の時間に行くと仲介業者の担当者が待っていてくれました。もう買主と司法書士は来ているそうで、あとは私を待つばかりだったのです。さっそく中に入り挨拶をして本題に移ります。銀行のローン担当者も同席して、契約書と重要事項説明書の最終確認です。そして持参した登記書類(登記識別情報)、印鑑証明、住民票、固定資産税納税通知、マンションの管理規約などを司法書士へ手渡します。

私のマンションは妻との共有名義なので、余分に書類が必要です。一通りチェックして問題がないことが確認されたので、いよいよ売却代金の残額1260万円を私の口座に送金して貰います。銀行の担当者から振り込みを実行した振込明細書のコピーを頂いて確認です。間違いなく振り込みが行われていることを確認したので、最後に鍵を買主へ引渡します。

「あーこれで、あのマンションとはオサラバだなぁ」と、寂しい気持ちが出てきましたが、離婚して新しい人生の始まりなのですから、元気を出さなくてはいけません。そんなことを考えていると、仲介業者の担当者が「司法書士への支払いと仲介手数料の清算をお願いします」と声をかけてきました。そうそうそれを忘れていました。

引渡しの最終段階として仲介業者への仲介手数料を支払わなくてはいけません。金額は売却代金の3%に6万円と消費税がかかるので、約52万円です。1450万円を50万円まけて、さらに52万円程度の仲介手数料が必要なので、実質的には1348万円で売却できたことになります。不動産仲介業者は買主、売主から同額の仲介手数料を受け取るので、100万円以上の売上が今回の取引で出たことになります。考えてみれば凄い金額ですよね。

その日の晩、妻には電話でマンションの売却が全て終わったことを報告しました。妻も少し寂しそうでしたが、お互い第二の人生を始めるのですから、良かったと思います。売却代金は細かくかかった雑費を引いて、妻と折半するつもりです。残りの財産もお互いが納得する方法で、分割協議を行いたいと思っています。

離婚するにあたって一番の問題だったマンションが早期に売却できたことは、本当にラッキーでした。これも売却についてのアドバイスをくれた友人のおかげと感謝しています。

ちなみに、その友達はマンション売却の様々な疑問を解消してくれるWEBサイトを運営しています。マンションを相場より高く売るためのノウハウをわかりやすく解説してあります。私のようにこれからマンションを売りたいと考えている人の力強い味方になってくれるはずです。

離婚から始まったマンション売却ですが、思ったよりはスムーズにできたと思います。しかし、それは一括査定システムや仲介業者の担当者のおかげであり、一人では何もできなかったでしょう。

さて、次は離婚の協議かぁ~頭が痛いなぁ。